今までずっと黙っていた琴音が

「僕から殴ったり蹴ったりすると思う? この細腕で?」
「……琴音」
「いいじゃない、被害届出そうよ。水原琴音にケンカ売ったって、人生棒にすればいいじゃない。新卒で就職できないと厳しいんでしょ?」
「……」

こいつ……性格悪い。

「琴音。お前のイメージダウンになるから、騒ぐのはやめよう」
「どうして? 世間はどっちの言い分を信じると思う? 僕と、昼間から酒飲んでる大学生と」
「おい、琴音」
「被害者は僕だよ。君は僕のマネージャーでしょ? 僕の味方じゃないの」