「結末なら変えられる」
「変えられない。もう彼女たちは帰って来ない」
「そうだね、その通りだよ。でも倖太の人生はまだ終わってない」
「……」
「僕に曲を書いてくれたのは、坂本さんに頼まれたから? それだけが理由じゃないだろ」

琴音はオレの肩を掴むと「僕に会いたかったんだろ」と笑った。

「倖太は僕に言ってくれたよね。本当にやりたいことをしろって。主役をやりたいならそう言えって」
「……言ったな、そんなこと」
「倖太が傷ついてるのはわかった。何もしたくないなら、きっと曲を書くこともなかったはずだ」


「君が暴いた真実が君を傷つけた。でもこのままで終わりたくないから、僕に会いに来たんだろ」