松本は観念したように話し始めた。

「死体を捨ててと頼まれただけです」
「指輪はどうした?」
「知りません。なんのことです」
「被害者の財布の中に指輪を買ったレシートが入っていた。ペアリングだ」
「知りません。美香さんが渡した指輪なら、アヤさんが持っているはず」
「水原一雄はどこに逃げた」
「知りません」
「あの日、水原一雄も現場にいたんだな」
「はい。アヤさんに呼び出されました」