鏡原と玉木が駆けつけると、僕はちょうど手首にタオルを巻きつけたところだった。

「君が刺したのか!?」
「違います! 手首を切ったらしくて」

鏡原に取り押さえられたが、玉木が「まだ息があります!」と叫んだ。

「救急車より早い、病院へ運ぶぞ。タマテル、運転しろ」
「僕は!?」
「君も来るんだ、話を聞く」
「助けてください、お兄さんなんです! 僕が悪かった」

驚いた二人は顔を見合わせた。

「『兄さん』?」