唐揚げ丼は美味しかった。

「……昔の刑事ドラマの取調べみたいですね」
「そんなつもりじゃ」
「だったら、他人の親を犯罪者みたいに言ってんじゃねーよ!」
「そんなつもりじゃない! ただ、疑われているうちはあいつと会わないで欲しいんだ」
「あんたにそんなこと言われる筋合いはないよ!」
「こっちにはある!」

なんなんだ、こいつはなんで絡んでくるんだ?



「倖太の夢の邪魔をしないで欲しいんだ、あいつデビュー前に親が死んで、話が流れたことがあって」
「は? 僕に関係ないんだけど」
「いまは関係ある、容疑者の子供と一緒に暮らしてるなんてイメージが悪いよ」
「それがなに? 売れるか売れないかは倖太の実力の問題だろ」
「あんたはどれだけ倖太が頑張ってきたか知らないからそんなこと言えるんだ!」
「……じゃあ、あんたは僕がどれだけ彼のことが好きか知ってるの?」

凍りついた相手の顔を見て、僕は激しく後悔した。
傷ついて青ざめた顔。

この人、倖太のことが好きなんだ……。

「ずっとあいつのことを見てきた」