美香さんの命日ということで、倖太と墓参りすることになった。

「昨日はごめんね。まさか首を絞めるなんて」
「お前が謝る必要は無いよ」
「友達として聞く。母さんに首を絞められるような、心当たりはないの」
「どういう意味だ」
「……安心して。知ってるんだ、母さんは男性に興味がない」
「え」
「彼女は、立花美香を愛してる。今でも」

「知ってたんだ、うちの両親は愛し合ってなんかない。仕方なく結婚した」
「誰がそんなことを」
「世間ってやつ」