解雇されたことを話すと、予想通り琴音は激怒した。
母さんに話をつけてくる、と憤る琴音を押し留める。

「まあ待てって。確かに、テレビに出るなって彼女の指示に従わなかったオレに非がある。でもな、ドラマを降ろされたのだって一時的なものだと思うし、解雇はやり過ぎだと、彼女もすぐに気づくと思うんだ」
「でも、僕の面倒は誰が見るんだい」
「自分でなんとかしなさい。部屋はオレが片付けてあげたし、たまにご飯つくりにきてあげるから」
「たまにじゃイヤだよ。……そばにいてよ」

たまにしか見れない琴音の甘え顔。

そんな顔をされたら、離れるのが辛くなる。


「少しの間だけだから……アヤさんの機嫌が直るまで大人しくしてよう。それに、事情を聞かれただけで犯人ってわけじゃない。そうだろ?」
「……そうだね」
「それに、オレたちが付き合ってることがバレたら、オレが殺される。会いたくなったらオレの家に来ればいい」


キスしている時だけは静かでいい。




二人の関係は、絶対に秘密。