プロデューサーの思いつきに、スタッフも戸惑っている。
素人にやらせるなんて、どういうつもりだと、その場にいた全員の顔が語っている。
この子は歌手なんだよ、と橋本は言い、なにかジャケットを持ってくるように言いつけている。
「琴音は見てて」
「本気なの」
「東京ドームで踊れるなんて夢みたい」
「……」
「オレはプロだよ。大丈夫」
スタイリストが、白シャツとジャケットを持ってきた。
「これは貸しですよ!」
と、橋本さんに言うと、倖太は自前のネクタイを外した。
ハットをかぶり、ささっとメイクさんがフェイスパウダーをはたく。
素人にやらせるなんて、どういうつもりだと、その場にいた全員の顔が語っている。
この子は歌手なんだよ、と橋本は言い、なにかジャケットを持ってくるように言いつけている。
「琴音は見てて」
「本気なの」
「東京ドームで踊れるなんて夢みたい」
「……」
「オレはプロだよ。大丈夫」
スタイリストが、白シャツとジャケットを持ってきた。
「これは貸しですよ!」
と、橋本さんに言うと、倖太は自前のネクタイを外した。
ハットをかぶり、ささっとメイクさんがフェイスパウダーをはたく。



