撮影を見ていきなさい、と監督に言われ、琴音はしばらくスタジオに残るようだ。

このあと学校に行く気は……ないようだ。
仕事の少ない俳優のマネージャーとしては、特にすることもない。
楽屋の隅に陣取って琴音が戻ってくるのを待つ。


『僕は水原アヤの子供じゃないらしいよ』


琴音は、そんなことを、言っていた。




ノートパソコンを開き、検索してみる。

すると、AYA/MIKAのサイトが一番上に表示された。
母さんとアヤさんがアイドル活動しているころのユニットだ。
当時は公式サイトなんてなかっただろうから、これはファンが作ったものなのだろう。
比較サイト、とあるが、何を比較しているんだろう。家電じゃあるまいし。