セカンドデビュー【完】

聞いてない……。
そんなメールも来ていなかった。

頭が真っ白になったが、ほかにも何人か、知らなかった応募者がいたらしく、ざわついている。


「組まされるのが嫌なら帰っていいですよ。自信があるから応募してきたんでしょう? もっと大きな会社に拾ってもらえるかもしれないし」


てっきりソロデビューできるもんだと思っていた応募者は、「話が違う」とブツブツ言いながら部屋を出た。

……あきれた。

チャンスを掴みに来たのに、自分から捨てるなんて。
彼らは、それほど自信があるんだろう……。身の程を知らないって、傷つかなくていいかも知れない。

まあ、オレとしては、人数が減って嬉しいけど。