「演技下手な自覚があって、なかなかそんなこと言えないって! お前度胸あるよ!」
「……」
「やろう! 大河の主役取れるようになんか考えよう!」
「え……」
「すぐには無理か。でも時間だけはたっぷりあるからな」
「……」
「乗馬習ったり、日舞習ったりしよう。どこかで誰かの目に留まるかもしれないからな」

準備だけはしておかないと。
若武者の琴音とか、恐ろしく美しいぞ。見たい。

「どうした琴音」
「なんで笑わないんだよ!」
「……は?」