琴音が学校に行っている間、オレは六郷土手駅に降りた。 薮をかき分けて、川面をのぞき込む。 映るのは自分の顔だけ。 (母さんに会えるわけじゃないのに) 手のひらですくった、濁った水はすぐにすり抜けていく。