「……いつのゴミ?」
「一週間ぐらい?」
「他には?」
「まだあるけど」

いますぐ全部もってこい、と怒鳴られた。
怒鳴らなくたっていいのに!
しぶしぶ、ベランダに放置してあるゴミ袋を運んで、二人でマンションのゴミの集積所まで運んだ。

「琴音、掃除してあげようか。嫌でなければだけど」
「イヤじゃないけど……、迷惑だろ?」
「そんなことより、アイドルなのにゴミ屋敷に住んでるって方が問題だ。お前のものには手をつけないし」

彼の言い方はいつも優しい。選択肢をくれる。
お願い、しようかな。

「じゃあ……、頼んでもいい?」
「ああ。じゃ、ちょっとゴミ袋とか買ってくるから、そうだなあ……。自分の服とか触られたくないモノは、とりあえず自分の部屋に押し込んどけ。すぐ戻るから」