橘さんに送ってもらって、自宅のドアを開けた。彼はいつも玄関までちゃんと送ってくれる。

「お疲れ様、じゃあ明日ね」
「……琴音、ちょっと待とうか」
「何」
「家ん中、汚いな……。ゴミ出してきてやるよ」
「え、いいよ、悪いよ」
「いいから」

ドアを強引に開けると、彼は玄関に置いておいた、ゴミ袋を手に取った。