「四人分…?わかった」

不思議そうな花蓮を横目に俺と斗真は武田社長のことを話し始めた

「10時に花蓮の家に来る。ちゃんと話そう。花蓮ちゃんならきっと大丈夫だよ」

「そうだな…」

ピーんポーン…

来た…

焦った様子の花蓮がいる
そりゃ、そうだよな
援交のお相手だからな

「俺が出るよ。花蓮ちゃん」

ガチャ…

武田社長は花蓮の家の合鍵持っててもおかしくないな

「こんばんは…」

「社長…」

斗真は会釈
俺は久しぶりと声をかけた
何年ぶりだろう
社長は全てを知っている唯一の大人だ

波乱の予感がした

固まっている花蓮

昔から知り合いみたいな会話をしてたら耳を疑うだろう

「大きくなったのは花蓮も同じです。12年ぶりに会ったら別人のようになってました。俺の双子の妹…花蓮も」

3歳の時の記憶があるわけではない
ただ、写真とは別人だった
当たり前か…花蓮も高校生、俺も斗真も

"双子"という言葉に花蓮は相当戸惑っているだろう


「花蓮ちゃん、ご飯できた?」

「あ、うん…今運ぶね」

そう言って四人は席についた

誰が先に口を開くのだろう

きっと、俺も知らない事実があるはずだ

花蓮はもっと知らない

わけがわからないのは花蓮だけなのだから