翡翠の悪魔の裏事情

「絵本か」

 懐かしい気分になる。

 絵本を読んだのは二歳くらいだろうか、その後は参考書ばかりだったように思う。

 ベリルが覚えている言語は数え切れない。

 ハッキリ言ってこの先、使えるとは思えないこの世界の言語もその中の一つとなるだろう。

 忘れる事の出来ないベリルにとっては、ある意味悩ましい事ではある。

「ああ……。このままこの世界にいる場合ならば意味はあるのか」

 そんな事は願い下げだがと、口の中で発して街に向かう。

 万が一にそうなった場合、元の世界の知識が無駄になる訳だ。

 中には、文明の進歩を早めてしまう技術もある。