翡翠の悪魔の裏事情

「うむ、なかなかだ」

 みんな見事ににひっかかってくれている。ベリルは満足したように独りごちた。

 人はどこでも同じらしい、それが妙に嬉しい。

 ふいに、先日の二人──空色の髪の少女と、隻眼(せきがん)の青年──が脳裏を過ぎった。

 最後に目が合った青年の翡翠色の瞳は、複雑な色を見せていたように感じた。

「……ふむ」

 こちらの何かが伝わったのだろうか、それならば接触してみる価値はある。

 それにはまず言葉だ、その壁を越えないと先には進めそうもない。

 街で本を借りてくるか、初めは絵本が良いだろう。

 間抜けな罠にはまっていく男たちを眺めながら思案する。