翡翠の悪魔の裏事情

 それよりもベリルは少女の風貌に興味を抱いた。

 青い髪に、それよりもやや濃い瞳をしている。

 青い髪とは珍しいと、その流れる髪を見つめた。

「お?」

 ふと脇に目をやると、一人の少年がその少女をじっと見つめていた。

 顔立ちからして少年を思わせるが、背丈からいくと青年だろうか。

 ばっちり見られとるなぁ、などとその様子を眺める。

「およ?」

 二人とは別に金髪の青年が覗いていた少年に声をかけている。

 しかし、問題はそんな事ではない。

 その金髪の青年を見た途端、少年が震えながら声を張り上げて逃げ出したのだ。

 それはベリルにとって聞き慣れた言葉だった。

 まさか──

「私と間違われたか」

 大人びて見える青年だが、見た目よりも若そうだ。