ベリルは朝露の冷たい湿っぽさを感じて目を開く。
森の朝は清々しさに満ちていた。気配を探り異常がない事を確認すると伸びをして肩や首を回す。
「さて始めるか」
つぶやいて昨日からの作業を再開する。
ベリルは昨日から同じものをいくつも造っていた。
木の上での作業はなかなかにはかどらない。
下に降りてもいいのだが、右も左も解らない世界という事でやはり警戒を怠る訳にはいかない。
作業をしながらも今まで耳にした言葉を反芻(はんすう)していく。
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