そうしてベリルはその夜、街に戻り道具屋を探した。

「解りやすくて助かる」

 ぼそりと発して忍び込む。

 前回と同様、LEDライト片手に目当ての品物をバックパックに詰めていき、闇に紛れて街から遠ざかる。

 毎日こうこうと灯される炎はベリルの影さえも映し出す事はなく、住民たちは虚しく過ぎる時間に奥歯を噛みしめる。