翡翠の悪魔の裏事情

 片手に乗るほどのサイズで、フタを開けて確認しベリルは口元に微かな笑みを浮かべた。

 その箱を二つほど手にして周囲を見回し、ショルダーバッグを引き寄せて箱を詰め込んでバッグをたすき掛けにする。

 ついでに小さめのバックパックも放り込んだ。

 他にめぼしいものは無いか暗い店内を回り建物をあとにした。

 外に出ると見上げて再び看板を見やる。

「読めん」

 絵の下に書かれている文字に眉をひそめた。

 当然のことだが、言葉も解らなければ文字で学びようも無い。

 おおよそ自分が学んでいる文字とは系統が異なっている訳であるからして、自分の世界にあるものから想像してつなげていくという方法は出来そうにない。

 短く溜息を吐き、ひとまずベリルは当面の隠れ家である森を目指した。