そうしてベリルは今までの出来事をゆっくりと反芻(はんすう)し、じっくりと思案する。

 基本的に人間の感情は同じだと窺えた。

 ならば、こちらの動きに予想通りの反応をするだろう。

 しかしこれ以上怖がらせるのもどうなのだ……ベリルは腕を組んで小さく唸る。

 考える時間は無限にある、そんな自分にすら楽しみを覚える。

 多くの依頼が舞い込む彼には長い休暇を取れる機会があまりない、休暇の最中に何かの騒動に巻き込まれる事もしばしばだ。

 そんなベリルにとって、これは長い休暇にも感じられた。