翡翠の悪魔の裏事情

 そうして、なんとか森に帰っては来られた。

 しかし、この森もいつまで安全か解らない。

 街を探しても見つからないのなら、近くの森に身を潜めていると考えるのは当然だ。

「困ったものだな」

 湖で顔を洗い雑に水滴を落として周りを見回した。

 不死である彼には食料も必要がない。

 だからといって何も食べない訳でもない、味わう楽しみくらいは持ち合わせている。

 嗜好品といえば酒、主にブランデーをたしなむ。

 その酒も今は手に入れる術はない。

 飲めないと思うと無性に飲みたくもなる。

 酒をくれ、一気にあおりたい気分だ。

 虫の音が優しく響く森に視線を投げた。