翡翠の悪魔の裏事情

 マントから時折、覗く服にはどす黒い血の跡がべっとりと張り付いているにも関わらず、悪魔らしき人物には少しも怪我をしている様子が見られない。

[本当か?]

 それでも人間と同じ姿に、男たちは躊躇いを隠しきれなかった。

[試しに撃ってみろよ]

 一人が矢庭(やにわ)に提案した。

[弱いやつを撃ってみろ]

 男たちはベリルを遠巻きに囲み、刺激しないようにと注意を払いつつ話し合う。

[弱いやつで試してみろよ]

[大丈夫かよ]

[死なない程度のやつにすればいい]

 雰囲気からして嫌な予感がする──そんなベリルの目に、またあの光の弾が飛んできた。

 先ほどの経験があるせいか、あまり防御を考慮せず迫る輝きを眺める。