とはいってもフリーである。

 大半の傭兵は企業に所属しているため、彼のようなフリーは多くはない。

 加えて、救出の要請には応えるが国が絡む戦争自体には決して関わらないせいもあり儲かる訳でもない。

 傭兵の仕事は多種多様で、戦争や紛争に関わるものから護衛、暗殺までと幅広い。

 しかし、個人的に率先して犯罪組織を壊滅させているおかげで影のスポンサーは多くいた。

 その容姿も相まって隠れファンも多数存在する。

 そういった意味で、ベリルという人物は傭兵としてはかなり珍しい部類に入ると思われる。

 そんな生き方が出来るのも、豊富な知識と高い戦闘力と指揮力とついでに言えば外見のおかげだろう。

 歳の頃は二十五と、百七十四センチの細身をソファに預けてテーブルに乗せられている三つの黒い塊をチェックしていた。

 スタングレネードという、光と音を放つ手榴弾である。