もちろん、彼の不死は公然の秘密として裏の世界では静かに広がっている。

 不死を手に入れようと彼を捕らえて研究する者たちは後を絶たない。

 しかし、それらはことごとくベリルの手によって壊滅させられる。

 その恐怖に彼に手を出す事を躊躇う者は多い。

 不死は彼のみに与えられたものだ、捕らえた処で何の成果も得られはしない。

 それでも、自分たちなら必ず成果を出せるのだと息巻いて最終的にはベリルに潰されるという流れである。

「む」

 いかん、目の前の状況に現実逃避しかけた。

 不死になった経緯など思い出しても元の場所には戻れん。

 ひとまず、この状況の打開は難しそうだ。

 何せ言葉が通じない。