毎日
毎日毎日、親を殺す。

「何で、いつも言うことが聞けないの!」
親がわめく。
俺…何かしたっけ?
俺は、急に部屋に入ってきた親の顔を見上げた。
学習机のイスに座っていた俺の横に親が立った。軽く頬が痺れた。

この感覚をスイッチに、自主的に意識を飛ばす。親は八つ当たりをして
ストレスを発散する。
その捌け口として
俺を使うのが気に入りらしい…
何かにつけて、
どんなに小さなことでも
文句をつけて
八つ当たりをする親が、
俺は憎くてたまらない…

母子家庭で育てられた俺には、この親を大切にするべきだという意味の分からない社会的概念が、
うざくてたまらなかった。

意識をとばす…
と言っても
妄想の世界に入るのだ。
親は、その世界で
ひたすらに親を殺している。

そして今も妄想に入るのだ。

視界の隅に包丁の存在をとらえる。
まず…すぐには殺さないでおこうか。
指を一本一本切り離そう。
血が流れるよな…
それを飲ませてみようか…

「聞いてるの!?」