涼斗*side
リビングでテレビを見ながらパピコを食べていると、
「はぁ〜、気持ちよかった」
美桜ちゃんが、お風呂から上がってきた。
髪が濡れていて、イメージが変わってドキドキする・・・
「アイス食べる?」
俺は、このドキドキをなんとか誤魔化そうと、そんな言葉を投げかけた。
「うん。もらおうかな。」
そう美桜ちゃんが言ったから、パピコの半分を美桜ちゃんにあげた。
・・・確か爽斗、美桜ちゃんのこと、‘美桜’って呼んでたよね?
俺も美桜って呼びたいな・・・
いきなり呼んだら変だよな。
聞いてみよ!
「なあ、あのさ・・・」
「ん?なに、涼斗くん」
美桜ちゃんがこっちを向いた。
うわっ、ドキドキする。
やばい。なんでこんなに緊張してるんだ?
おかしいだろ。
「え〜と・・・あの〜・・・」
口ごもる俺に、美桜ちゃんは不思議そうに首をかしげて見ている。
もーいっちゃえ!
「み、美桜!!」
「・・・へ?」
失敗したぁー!
いきなり呼んだらびっくりするよね!?
そりゃあ、そうだよね!?
あー、もう!
どうにでもなれ!
「きょ、今日から美桜って呼ぶから!」
「う、うん。分かった・・・」
美桜、絶対急だなって思ってるよね・・・・
・・・この流れで俺のことも‘涼斗’って呼んでもらおうかな?
「美桜も涼斗って呼んで!」
もし呼んでもらえたら、嬉しいな〜!
そう思うと、自然と顔がほころんだ。
「うん!分かった!!涼斗って呼ぶね!!」
ドッキューン!!
なに、その笑顔。
反則でしょ。
かわいすぎるよ。
「どうしたの?涼斗??」
はっ!と気がつくと、美桜の顔がすぐ近くに・・・
「なっなっなっなんでもない!
じゃあ俺寝るから!!おやすみ!」
俺、今絶対真っ赤だ・・・
はずかしい・・・
「えっ、うん、おやすみ」
美桜もびっくりしてるし。
俺はそそくさと自分の部屋に戻った。
