「ハァ」

オレ、どうしちゃったんだろ。

スキって何?

マジで好きなの?

友達や家族に対しての気持ちとは違う感情。

幼なじみ以上の感情を持ったら、アイツは離れて行ってしまうだろうか。

風呂の中、一人で考える。

ヤバい、逆上せそう。

ーザバッ

「あっつ。」

何と無く葵の部屋に戻りたくなくて、リビングに向かった。

「あれ、蒼兄。
酔い潰れたんじゃないの?」

「おう、翠。
酔い潰れたけど、さっき起きた。」

何か翠の顔も直視出来ないんだけど。

この姉弟、顔似てるし。

「‥蒼兄、何かあった?」

はい、バレたー。

「絶対、何言っても笑わねーか?」

翠になら言える気がする。

年も近いし、口堅い。

「うん。」

「オレ、葵の事好きなのかもしれない。」

「ハァ?
今更、何言ってんの。
前から好きだったんじゃないの?」

好きだった?

誰か、誰を?

「誰が?」

「蒼兄がだよ。
違ったの?
蒼兄、意外と鈍いんだね。」

姉ちゃんもだけど、と笑う。

もう、意味がわかんない。

翠は勝手に納得してるし。

教えてはくれないけど。

「まぁ、頑張ってよ。
あ、何処で寝るの?」

「んー、葵の部屋。
寝ていいよって言われた。」

「ムラムラしても襲わないでね♪」

襲うか、バーカ。

その顔ムカつく。

結局、ほとんど寝れなかった。

学祭の次の日が休みで良かった。

寝不足だけど、今までみたいな曖昧な気持ちはない。

やっぱり、葵の事が好きだ。