んー、体痛い。

また床に寝てるんだけど。

何これ、デジャヴ?

葵が窓開けたんだろうか。

風が気持ち良い。

つーか、アイツらいつ帰ったんだろ。

全く、記憶が無い。

葵もいないし。

風呂?

どーでもいいけど、眠い。

‥ベッド借りよ。

葵が来たら起こすだろ、多分。

とりあえず、体痛いし。

当たり前だけど、葵の香りがする。


そこから記憶は途切れた。




うわ、寝ちまった。

かなり爆睡?

あー、まだ暑い。

やっぱ、酔ってんのかな?

目を覚ますともうすぐ日付が変わる頃。

葵は、ベッドに背中をつけて寝ていた。

なんでオレの事起こさねーんだよ。

お前のベッドだろうが。

「おい。」

起こそうとして近づいたら、葵から不意に香りがして‥。

肌からなのか髪からなのかわからない。

甘い香り。

葵の白い肌が見えた。

いつもなら何とも思わない。

この感情は、酔っているから?

「ん‥。そ、う‥。」

そして、オレの名前を呼んだ。

オレの中で何かが切れる音がした。