もえは気づいてしまった。新と付き合って3ヶ月。一度も新から連絡をしてきたことがない。もえは肩を落とし落胆した。
もえは考えた。新と付き合う理由を。しかしそんなもの見つかる訳もなく日々は過ぎていく。ある日もえは決心し新に一通メールを送った。
私のこと好き?
しかし10分待っても20分待っても返事は来ない。
気がつくともえは深い眠りにおちていた…。
翌朝、ケータイを見るとそこには新からの返事があった。そこには一言。
好きだよ。
ただこれだけがもえは嬉しかった。自分の存在を認めてもらった喜びと、新に忘れられていないことを。
もえは単純なやつで、すぐに泣いた。ただただ嬉しかった。心にぽっかり空いた穴が埋まって行くようだった。
登校時のもえはひどいことになっていた。目を赤らめ目の下を腫らし泣いたのが良くわかる顔をしていた。
その日は朝から甘えた。とにかく新のそばにいって袖を引いたり、後ろから抱きついたり…。
しかしそこにもえの求めていた反応はなかった。
無言で振り払い、冷たい目で睨む。どんなに甘えても新は見向きもしてくれない。
一日甘え尽くしたが、一度ももえの相手をすることはなかった。
泣いた。
涙がでなくなっても、
喉を痛めて声がでなくなっても泣いた。
1人暗い部屋で子供のように…。
悩み
考えた。
虚偽の愛情。
これが答えだった。
心から私を愛していない。
そうとしか理解できなかった。
そんな時一通のメールが届いた。
もえは飛び起きた。
時計は24時をまわっていた。こんな時間にメールしてくるのは新しかいないと思っていた。
差出人はなおきだった。
もえは舌打ちし、思わずケータイを投げそうになった。
こんな時にまたよりを戻そうって話かと、内心呆れ気味に開いたメール。
しかしそれは、思いがけない文章だった。
つらい。
たすけて。
もえは驚いた。
あのひょうきんもののなおきが弱音を吐いている。
少し心配になったもえはしばらく話を聞いて見ることにした。
話によると、バイトの帰りにけいこを見かけたらしい。声をかけようとしたが、その足は止まった。
腕を組んでいる男がいた。
なおきは驚いた。直樹の目に映ったのは新の姿だったらしい。
後ろ姿だけなので確信はできないが、おそらく新なのではないかとのことだった。
もえは信じられなかった。
信じたくなかった。
この目で確かめるまで信じない。
そう心に決めた。
次の日の出来事だった。
金曜。
直樹に一枚のメモを渡された。