きっと、あの子からの着信だとわかった






差し込んだ光は、また雲に覆われて…暖かさが消えてゆくようで



自分でも、表情が曇るのがわかった






それを悟られたくなくて、洗面所に行く





自分が、情けない





ただ、彼女から電話がかかっただけで…






こんなに、気持ちがドン底に落ちてしまうなんて…と、自嘲する






ここに居ても、リビングのノブの声が微かに聞こえてくる







ノブ…





誰のものにもならないで





私以外、見ないでほしい





言葉に出来ない想いを





心で、何度も繰り返した