店を出て、駅に向かう。
さりげなくキュッとつながれた手・・・・
なんで・・・・・?
なんか反論できんまま歩く。
横に並んではじめてわかる。
背、高いな・・・
私の頭一個分高い。
がっしりした体系。
つながれてる手。
なんかドキドキするっ
なんでっ?
酔っ払ってんのかなぁ・・・・・?
「K駅でいいの?」
切符売り場で振り返る。
「あっ、うん、てかお金払うしっ」
かばんから慌てて財布を出す。
「ばーか、女に金だしてもらうとかダサいことできねーし。」
とポケットから小銭を出し、私の分の切符まで買ってくれた。
「ありがと・・」
「どういたしまして。」
切符を買うために離れていた手がまた繋がる。
電車に乗り込む。
隣同士で座る。
店ではあんなにしゃべってたのに、なんで急に無口になってんのやろ?この人・・・・
あ、私もか・・・・
沈黙って苦手なんよな・・・
「あ、の・・・」
すぐ近くにある顔を見る。
「ん?」
「えっと・・・・」
「なんだよ。」
む。なんか会話さがしてんねんやんっ
「名前・・・・・」
「え?あ、俺?」
「うん。」
自己紹介私だけして、みんなの名前ちゃんと聞いてない。
ノリってみんなに呼ばれてることはわかったけど・・・
「長谷川範文。(ハセガワノリフミ)、ノリでいいよ。」
「あ、うん・・・・」
「でっ、あの・・・」
「次は何?」
え・・?会話したらあかんの・・・?
「あの・・・」
なんやろ・・・なんか悲しい。
「何拗ねてんだよ、何?何聞きたい?」
優しい声が頭の上の方からした。
ぱっと上を見上げると。
びっくりしたノリの顔。
「聞いていいの?」
「なんでもどーぞ。」
笑顔、やっぱりかわいい。

