会長?
顔を覗き込むと泣いてはいなかったが
唇を噛み締めていた
「私は利用されたの」
「り…………よう」
「あいつは知ってたの」
「何を?」
「私の両親と兄達のこと」
それはつまり
「私に近付き兄達と親しくなって自分を売れるようにした」
俺がしようとしてたことだ…………
「あんたも…………同じ」
「え?」
思わず抱き締めていた腕を離した
「皆そう」
「かい……」
「小学生の時も中学生の時も皆兄達と会わせてって」
「…………」
「誰も私を見ない。芸能人の妹としか見られない。だがら私のことを知らない高校に入学した」
会長…………



