氷の会長





仮にも俺…………モデルなのに…………




「しぃ…………我が儘言わない。ね?」




会長をなだめる叶瑠さんの姿は優しいお兄ちゃん


こんな兄貴羨ましい






「…………分かった」

「しぃは良い子だね」




まぁ、叶瑠さんの甘やかし方は兄貴と言うより子供を溺愛する親バカにも見えるけど





「しぃちゃん。後でショッピング行こーよ」

「うん。あ、でも無理しないでよ」

「大丈夫だよ?まだ5か月だし」

「油断は禁物」

「しぃちゃんお母さんみたぁい」





ひよちゃんと呼ばれていた叶瑠さんの奥さんが会長に抱き付く



ていうか5か月って…………


まさか







「俺ね~パパになるの」

「うぇ!?」

「秘密にしろよ?このこと知ってるの家族と架也だけだから」






ズキッ




まただ





叶瑠さんや会長の家族は俺のことをどうしてこんなにも信用してくれてるのだろうか





出会ってまだ数日




ましてや会長の彼氏でもなくただの仕事仲間の俺





なのにこんなにも心を開いてくれて




嬉しい反面苦しい




だって俺は会長に近付いているのはゲームのため

それと

皆さんに近付くため