「もう大丈夫?」

「あぁ」

「そう」





詩或は少しだけ微笑んだ






「可愛い!!しぃもっと笑って!!あ、待って!!写メるから」

「世瑠煩い」

「しぃ~そんなツンツンしたしぃも可愛いけど!!」

「世瑠」

「はい。もう黙ります」





相変わらずの世瑠さんのシスコンっぷり

いつもの日常が戻った






それから社長に連絡して

沢山怒られた

怪我をしたこと

スキャンダルを撮られたこと

それを流されそうになったこと





色々怒られた




だけど最後に社長は良かったなと俺と母さんのことを喜んでくれた





マネージャーにはモデルが顔に傷作るなんて言語道断だと怒鳴られ



学校の奴らには笑われた


それでも皆最後には良かったなと言ってくれる







俺は1人じゃないんだ


こんなにも多くの人から愛されていたんだ






そんなことにも気が付かなかった



気付けたのは詩或のおかげ







俺の人生はいつの間にか詩或を中心に回っている



きっと詩或と出会うことは運命ではなく必然だったのかもしれない







「詩或」

「何?」

「結婚しような」

「寝言は寝て言え」





冷たい氷のような俺のお姫様




これはそんな俺と姫のお話でした









end