「もしもし」
「何よ。お金払う気になったの?」
「俺さ詩或と結婚したいんだよね」
「は?」
俺からの電話にあいつはイライラしているのか口調が荒かった
「それでさ…………あんたはどうだった?」
「は?」
「父さんと結婚して」
「そ…………れは……」
いい加減1人の人間ではなく
親子として会話しよう
「…………何が言いたいの」
「一緒に暮らそう」
あれだけ嫌がっていた同居だがもう逃げない
「親子に戻ろう…………母さん」
「架也?」
「本当は分かってるんだろ?あの男とはやり直すつもりないって」
「…………どうして」
「分かるよ。だって俺達親子だから」
電話の向こうから嗚咽が聞こえる
泣いて…………いる
詩或…………
俺1歩進んだよ
「母さん」
「な…………にっ」
「俺を生んでくれてありがとう」
どんな母親であろうと
この人が生んでくれたから俺は沢山の人に出会えた