「えっと…………ありがとう？」
「何で疑問系なんだ」
「微妙な感じだし」
「素直に礼くらい言えよ」
「お前も素直に俺を助けてやったって言えよ」
恭が止めてくれたのはいいが
本当に止めてくれたのだろうか
「あ…………のさ」
「ほら、これがデータ」
「あぁ、サンキュ」
本当に止めてくれたんだ…………
編集部は納得したのか？
「あれは合成だと伝えた。このあとも俺と仕事するしってね」
「恭…………何かごめん」
「は？」
「恭ってもっと嫌な奴だと思ってたから」
「本当ならお前潰してさっさとトップに戻ろうって思っていたが詩或に言われたんだ」
「詩或に？」
「私が恭を好きになったのはモデルを一生懸命にする姿だからって」
それで
俺を助けてくれたのか…………
「色々大変らしいなお前」
「あ…………あぁ」
「ま、頑張れ。俺に姫を取られないように」
「取られねぇし」
まさかのピンチを救ったのはこれまたまさかの元カレ
だけどこれで振り出しに戻った
いい加減あいつと決着つけよう
「恭、本当にありがとう」
「そんな感謝されてもキモい」
「あ？可愛い後輩がお礼言ってんだから素直になれよ」
「うぜぇ」
