「すげぇキスしたいけど、口の中切れてるからきっと血の味するな」
「そんなの嫌」
「でもキスしたい」
「傷治したら」
「してくれんの?」
「さぁね」
いつからこんな小悪魔になったんだ
「手当てするから大人しくしろ」
「詩或」
「何」
「何かあったらすぐ言えよ。あいつが何するかわからねぇし」
「その時はまた回し蹴りでもするから」
「いやいや」
一応叶瑠さんには伝えておこう
詩或に何かあっても困る
きっと俺、明日斗さんに殺される
「仕事どうするの」
「どうしようか。撮影詰まってんのに。ほんと余計なことしてくれるよ。あのババア」
「メイクで隠せる傷じゃないし、しばらく休業」
「…………そうだな。学校も休む」
「それがいい」
学校に行ってこの傷を見られて変な噂が立っても困るしな