「でも……何で突然?」

「本当はもっと前から気が付いていた」




そうなんだ



「あんたは信用出来る。だけど気持ちを伝えると恭や他の人達のように叶瑠達が目当てになるって思って」




どうしても踏み出せなかった、と呟き

俯いた






「気持ちを伝えるのが怖くて約束してって言ったり…………だけど色々考えるのが馬鹿らしくなった」

「ん?」

「あんたっていつでも真っ直ぐで嘘なんて付かないから。

色々考える私の方が馬鹿らしい。

それにあんたは自分が汚いと言った。

それも馬鹿らしい。

あんたの何処が汚いの?」







俯いていた瞳が真っ直ぐ俺を捉える

そして





「私にとってあんたは光」




俺と同じこと考えていたとはな




嬉しくて





「何、泣いてんの」

「詩或って凄いな」

「はぁ!?」

「嬉し泣きとか生まれて初めてだ」






思わず涙が溢れた





嬉し泣きするとか

自分でもキモいと思う






だけどそれだけ嬉しいのは事実





愛されなかった俺がこんなにも愛されているなんて