氷の会長





詩或side



1週間ぶりに出会ったあいつ



心臓が煩い


本当は今すぐにでも走り出したい

それなのに





「詩或の元カレ君いるよ」

「元カレじゃない」

「へぇ」




こいつのせいで私の足は床に縫い付けられたように動かない




逃げ出せない

分かっていることだ





「詩或」

「っ…………」





あいつの呼ぶ声に身体が反応する

呼ばないで

それ以上呼ばれると走り出したい衝動にかられる





「詩或を返して貰おうか、恭」

「先輩に対して礼儀のなってねぇ後輩にやるかよ」








もう、私に関わらないで