氷の会長




「はぁ……」



新人育成をする前に俺を鍛えて欲しいよ

俺は誰かを見てやれるほど余裕は無いのに

今すぐにでも恭を抜かねぇと





「昴さん…………あの」

「ん?何?」

「腕時計を見せる場合腕をあげるとわざとらしくなりますよね」

「そうだな…………そういう場合俺はあえてジャケットをメインにする」

「どういうことですか?」

「ジャケットをメインにすると自然と上半身が目立つようにポージングして撮影するだろ?
すると腕を上げていたりしても不自然に見えない」

「なるほど…………ありがとうございます!!」





勉強熱心な後輩を見ると新人育成も悪くないかって思うけどな






「帰ろうぜ」

「そうだな。アイツの指導なんて受けたくねぇし」




だけどやっぱりイライラするわ!!





「お前らな!!文句ばっか言ってねぇで」




真面目に取り組め


そう怒鳴りつけようとしたとき






「そこの2人、失格」

「「え?」」




思わぬ明日斗さんの声に遮られた




それより失格って…………?






「ショーやコンテストでそんな態度取ってみろ。すぐに失格にされ未来の道は閉ざされる」

「それは…………」

「いいか。どんなに嫌いな相手でも審査員だったらお前のことを評価するのはそいつだ」

「………………」

「それにお前はそんなに文句を言えるほど実力は無い。そんな立派なことが言いたけりゃせめて架也を抜いてからにしろ」

「………………はい」





流石の明日斗さんにまで文句は言えないようで後輩達は俺に謝りはしないが


指示はまともに聞くようになった




やっぱり明日斗さんすげぇ………………