それから詩或は大人しく座ってテレビ鑑賞
その間に俺はビーフシチューを作る
料理は好きだ
まさか手料理を詩或に振る舞うとは思わなかったけど
「慣れているのね」
「あぁ、幼い頃からずっと1人だったから。家事は一通り出来る」
「1人?」
「父親はオーストラリア、母親はオランダにいんの。だから1人」
「へぇ」
詩或が俺のことを聞いてくるなんて初めてだな
少しは意識してくれているのだろうか
「兄弟は?」
「いない」
「仕事はいつから?」
「中1。今のマネージャーに声をかけられたのがきっかけ」
それだけ聞いて満足したのかテレビ番組を変えて
この間収録していた一瑠と双瑠の出演している音楽番組を観始めた



