「こんな綺麗な海に包まれて あの世へ行けたら幸せだろうか…?」 ふとよぎる言葉に 心が惑わされるー

高台に登って 小さく見える岩を見ていた。 「岩に当たるのは痛いだろう…」 海色を変える砂底の真上に来ていた。

「数十メートル下の海で 私は死ねる… 誰にもいじめられない世界へ行ける… ひとりでも 大丈夫だよね…?」

飛び降りようとした時だった。
私を呼び止める声が聞こえた…。

「そっちへ行ってはだめだよ 海は寒いから こっちへおいで…」 誰の姿もないのに 声だけが聞こえるー

何度振り返っても 誰もいない… その声は 6年後に出逢う あなたの声に 似ていたよ…。

知りもしないあなたに 心を救われたんだ…。 聞こえた言葉が嬉しくて 涙が止まらなかった…。