私は猫ちゃんを抱きしめた



「ありがとう
でもこれは猫ちゃんが食べて。
私は大丈夫だから。」



猫ちゃんはそんな私を心配するように何度も“ミャー”と鳴いた



猫ちゃんを抱え上げて



「安心して
私は負けないから。」



と言うと、猫ちゃんは安心したように“ミャーゴ”と鳴いた



私は猫ちゃんを地面に降ろして立ち上がった



「じゃあね猫ちゃん。」



猫ちゃんにサヨナラを言って病院に向かって歩き出した



この先に、この街で唯一の大きな病院がある



そこに行けば死者の魂に出会えるはずだ



でも、その私の浅はかな考えが打ち砕かれるのに、そんなに時間はかからなかった