受験の日。


私、三枝亜季(さえぐさ あき)は試験会場へ向かうバスに揺られながら、大量の冷や汗をかいていた。


(う、う、受からなかったらどうしよう…)


鞄には初詣で買った合格祈願のお守りが入っているし、家を出る前はカツ丼だって食べてきた。


だけどー…


もしかしたら…って、悪い予感が頭から離れない。


試験会場まで後、10分くらい。


緊張とプレッシャーで足と指先が震える。