こ、このまま冴城君と話してちゃ、絶対私余計な事言っちゃう!!


そう思った私は、慌てて数学の教科書で顔を隠した。


物凄い勢いで、ズラッと並ぶ問題を凝視する。


だけど…内容が全く頭に入ってこない。


「?田薮、なんかお前急にやる気になってないか?」


「ホェッ!?そんな事な……!!」

(↑失礼な事言いそうな事に気づいて、途中でやめた栞)


自分の学校より簡単な問題が、まるで大学入試レベル位の難しさに感じてしまったのは――――…


多分………入れ替わりがバレない様に頑張る疲れだけが原因だったと……思いたい。