「頑張れ~~」とのん気に笑っている睦杜ちゃんは、どこか楽しんでいる様子。


一方の私は、治まりかけていた不安が再びプスプスと燻り始めているのを感じていた。


あ、あんなに明るい人だったんだ、冴城君って………


確かに光の言う通り、動物に例えたら犬とか猿みたいに元気な男の子だわ……


悪い人ではなさそうだけど、私の中学ではマジメな人が多いから、その空気に慣れている私が相手にするのは――――…骨が折れそうだ。


「光……アンタやっぱり躾し直してあげるわ………っ!!」


フッと脳裏に、ビビりまくる妹の姿が浮かんだ気がした。