ヒリヒリと痛む頬を手で擦りながら、ギロッと冴城君を睨んだ。


「もう!なんでつねるの!?」


「だって……田薮さっきからボンヤリしまくってて、オレの話全く聞いてないんだもんよ」


「あっ……」


冴城君の答えに、ハッとした。


私…放課後になって冴城君と図書室に来たのに、確かに全然話聞いてなかった………


ボーーーッとし過ぎて、さっき正常状態だった時から何分経ったのか分からない位だ。


「ご、ごめんね冴城君……ちょっと色々あって」


曖昧に笑う私に対して、冴城君は何も言わない。


小さくため息をついた。