「いいけど……どうして?」


「ちょっと話したい事あんだよ」


「話したい事?だったら別に今でもいいじゃない」


「――――想兵や睦杜には、聞かれたくない話題だから……なるべく怪しまれない様に来てくれ」


「えっ!?ちょっと岩本君………!?」


戸惑う私をよそに、岩本君はさっさと冴城君が待つ机の場所まで歩いて行ってしまう。


「わ、わざわざ音楽室で話って…何だろう………」


ポカンと呆気に取られている私は、もっと早く気づくべきだった。


彼女ラブで優しい岩本君が、睦杜ちゃんにお茶を買いに行かせた違和感に。